かえってくる日

残暑はいつしかその責務を果して去っていき、今はゆっくりと瞬きをするように秋を迎え入れようとする季節が迫ってきています。

皆さま、こんにちは。  レインツリー鶴間事業所 小笠原です。 元気に過ごされていますでしょうか?

 

10月はハロウィンの季節という認識がついていまして、「ハロウィンて何だ?収穫をお祝いするお祭りだったっけ?」と何かと混同していたので、改めて調べてみると、ハロウィンの夜は秋の終わりを意味し、冬の始まりでもあり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられているという事が起源のようです。日本で言うお盆の季節のようで、本来どちらも先祖を迎えるという意義を持つ特定の日でしょうから、他人に迷惑がかかるほどのイベントにしてはいけない事と思います。(どんなお祭り、イベントでもその通りですが)

 

さて、我が家では先祖を迎えるという事ではないんですが、不思議な人を迎えた出来事がありました。

先日、実家の押し入れから、廃棄したはずの、私の過去の社員証が発見されました。

 

 

 

 

「これ誰?」

苗字は読めても、私の名の部分が読めない長男がうっすら笑みを浮かべて、わかっているけど確認のために聞いたよという一言。

「パパ?」

長男の問いかけに追いかけるように、漢字が読めないけれど、20代の頃の写真から察して発言した娘。

「……私の愛するあなたじゃないわ……」

とでも言いたげな妻からの、無言という返答。

三者三葉、初めて会う人物の訪問に軽い警戒心を持ってそれぞれが見せた反応で、妻の反応は仕方がないです。妻と初めて出会った頃はもう〈before and after〉状態でしたから…。

当の自分も「こいつ誰だ?」と半笑いで、記憶の彼方で存在していた社員証の彼は、なんだか仮装した自分という感じで若干緊張気味で前を向いています。

社員証の彼を懐かしむ気持ちはわきません。なぜなら、その頃の姿を知っているのは私だけであって、今の姿がまぎれもない私の現実の姿であり、今の自分がしっくりきているので、「あの時は良かった。」という過去や、髪の毛への執着もなく本当に社員証の彼は他人事のような感じです。

イライラ、カリカリ、心の休まらない日々を送っていた社員証の彼に「今は自分の事しか見えていないかもしれないが、年を重ねるごとに周りが見えてくるので安心して人生に挑戦して欲しい。1分1秒で決断しなければならない選択肢は迫られないよ。誰かが認めてくれないと存在意義がないわけではない。自分の価値観だけで判断せず、もっと世界を見渡してみよう。食べず嫌いだった物が好きになっていくよ。」と、効果的に話しかけてあげたいと思える穏やかさを身につけられたことを報告するがごとく、彼の帰宅によってこんな大人になったよと振り返る時間を与えられました。

今度、20年くらいたつと60代になった自分のもとへ40代のころの自分が帰宅してくるのでしょうか? 

次は老いを感じるかもしれないので、それとなく帰宅をちょくちょくしてもらえるようにお願いしたいと思います。

 

〔〈before and after〉の比較をされたい方は、下記リタリコのHPからご覧ください〕

レインツリー鶴間事業所(神奈川県大和市の就労継続支援B型事業所)の詳細情報 | LITALICO仕事ナビ (snabi.jp)